ここはあなたの好きな場所 2 輝る海

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堤防に着いたら ちょうど陽が落ちた。 「星も月も見えないから明日は  雨かもしれませんね」 そう・・・総司のいない人生に 星も月もない・・・土砂降り。 「そこに見える桟橋、  総司さんのお気に入りの  場所なんですよ、私、そこで  プロポーズされたんです」 未菜の言葉が私の理性を刺激する、 その桟橋は・・・ 私にとっても思い出の場所。 「有香さん、私とも仲良く  して下さい。新居にも  きて下さいね」 無邪気が邪気を呼んでくる・・・ 総司がいない人生に 星だって・・・月だって 朝陽すら昇っては・・・ 頭の中に  『未菜が現れなかったから   有香と友達夫婦でよかった』 昨夜の総司の声が木霊する。 目の前にはか細い未菜、 泳げぬ人魚が魔女に見えて・・・ 私は信じられない強い力で 未菜を抱え、全力疾走で 堤防を駆け抜け、 ・・・・・・・海へ!
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