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ずっと、夢を見ていた・・・
懐かしい学校のプール。
息継ぎに顔をあげると
総司が隣で泳いでいて・・・
ターンして・・・
ターンして・・・
何故だろう・・・
ちっとも終わりがこない。
もう息が続かない・・・
でも、必死で泳いで・・・・
泳いで・・・・
プールから上がろうとしては
水が私の足を引き込む、
引き込む、引き込むっ!
「ああ!あああああ
ああああああああ!」
「有香ぁ!有香ぁ!」
家族の声に目が覚めた・・・。
「ど・・・・・こ?」
「よかったあ!気づいた!」
母親が叫んで扉を開けると
友達と、総司が部屋に入ってきて
私は恐怖に、自分への恐ろしさに
「うわあぁぁああああああ」
身を捩って呻いた。
「有香!大丈夫だ!大丈夫!
気にしなくていいんだ!
お前はちっとも悪くない!
満潮で水が深かったんだ・・・
助けられなくて当然なんだよぉ」
「・・・え?!・・・」
暗闇で、遠目に見ていた釣り人が
“堤防から転落した未菜を
私が助けに海へ飛び込んだ”
・・・そのように言ったらしい。
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