38人が本棚に入れています
本棚に追加
「近くにこんな良いところが
あったのね」
「だろ?小学生の頃、
親父に連れてきて貰ってから
俺の“とっておきプレイス”」
彼・相楽総司が
そう言って連れてきてくれた夜の海。
大学を出てすぐに勤めた会社で
ちょっとしたミスで落ち込む私を
夕食に誘って、ドライブへ
連れ出してくれた総司。
こういう気の遣い方も
私が彼を好きな理由の一つ。
いや、理由なんて数えたらきりがない。
ノッポな首を下にして
覗き込んでくる総司の瞳も、
怒った顔など見せたことのない
笑うと目尻が下がる穏やかな顔も
周囲を喜ばせる冗談も
どれもこれも、なにもかも
総司の全てが好きだった。
十六歳からの片想い、
ずっと、友達・・・
でもいつか・・・いつか必ず
総司と結婚出来る日を
胸の奥で夢見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!