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大学を出てからも、いつも
会うのは水泳部のグループで
何かにつけて飲み会。
それから上手く
「パソコンの本を選んでほしい」
とか、言い訳をつけて
総司と二人で会う口実を作る。
でも、進展はなし・・・。
進展と言えば、
「家族以外とは初めて来た」
という“特別な夕陽の海”へ
連れて行ってくれたときは
恋の兆しかと喜んだ。
でも、それも束の間、
「この夏は近場で二泊するか?」
仲間との夏の旅行に
「いい所があるんだ」
総司はあっけなく皆に
お気に入りの場所を教えた。
ガッカリ・・・ガッカリしながら
総司にはまだ“特別なひと”の
出来ていないことが唯一の救いだった。
二十八歳を迎える頃には
「独りモン同士、お前達が
クッツいたら?」
そんな野次まで飛んで
希望が持てそうな夏・・・
・・・の、はずだったのに。
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