みゆき

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店先に出たら、少しだけ酔ったのか、みゆきは、雨上がりの道路に出て、草刈民代のように踊りはじめる。彼女はすぐに顔に微笑を浮かべて僕のほうに近づいて腕をつかむと、Shall we ダンス?とも聞かずに、あっちゃこっちゃ振りまわしながら踊った。 絵になっているのであれば、まだしも、当事者以外の者にとっちゃ、陳腐きわまりないものだし、当事者の僕にだってアホらしい限りだったが、まるでふたりの間に何かが進行しているような錯覚がした。 で、歌舞伎町からの帰り道、新大久保のラブホが立ち並ぶ人けのない路地裏を歩く中、僕はみゆきに入ろうと誘ってセックスを求めた。みゆきはすぼめた傘で僕の頭をガツンガツンと叩きながらくすくす笑っていた。 そしてそうこうするうちに大久保通りに出て、通りかかったタクシーをみゆきが拾い、おやすみを言い合ってそこで別れた僕は歩いて10分ほどの自分のアパートに帰った。
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