キッカケは、、

1/1
前へ
/9ページ
次へ

キッカケは、、

飲食店でのバイトを始めて既に五年もの月日が流れていた。しかし、人見知りな私は未だその環境に慣れられずにいた。 暇な時も、忙しい時も、私はただモクモクとケータイを見たり、モクモクと仕事をこなすだけ。 暇な時は、何か話したい。。 でも何を話していいのか分からない。 何せ、亜果利さんも、翔子さんも、私がこの店に勤め出すずっと前から、働いているのだ。仕事中にプライベートな話はーー怒られるだろう。。 少し怖い人たち。 怖い先輩。。 あの時はまだ二人の事を、そう思っていた。 そんな時。 食器を洗っていると、後ろを通りすぎた亜果利さんがぼやくように言った。 「丁寧に洗い物をするのはいい事だ。。」 その一言がキッカケだった。 亜果利さんはちゃんとやるべき事をやっていれば、見てくれてるんだ。。 五年の月日が流れたあの時、私は初めてそう思った。そして決意を決める。 ーーこの店で頑張ろう!!
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加