海の女

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新人の頃、段取り悪くもやっていた頃が懐かしく思い出される。 「洋平、おはよう。今日はよろしく。」 同期で別部署に勤務する旬が声をかけてくる。 「おはよう。この感じ懐かしいな。久々でなんだかわくわくしてきた。」 「それだけ余裕が出て来たってことだよな。休憩の時、簡単に飯食いに行こうぜ。」 「そんな暇があるといいけど。後で声掛けるわ。」 そう言って旬と別れて会場準備に精を出す。 あっという間に開場時間となる。 開場と共に多くの人がなだれ込んでくる。 「こちらの新作は今期のトレンドを取り入れて、バックラインが特に綺麗な商品tなっております。」 次々やってくるお客に説明をする。 こりゃ、旬と飯食う暇もないなと思いながらも接客に精を出す。 お昼近くなってきて、少し客足が少なくなってくる。 少なくなってきたが、初日だしお昼も客が多く来ることが予想されたので、旬との昼飯は断ろう。 その前にしゃべりすぎてガラガラになった喉を潤そうと自販機へ向かおう。 「すみません。少しだけ休憩入りますので、フロアお願いします。」 近くにいたスタッフに声を掛けて、自販機に向かう。
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