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「そうだよな。どう見てもいい女だもんな。」
「ナンパのふりして声かけてみれば。」
「俺なんか相手にされないよ。」
「洋平も一般的にはイケメンに部類される人種だけどな。」
「勇気が出たら声かけてみるよ。」
この日から海に行く度に、あの人がいるか探してしまう。
いや違う、あの人に会うために海に行っていた。
一目惚れしたその日以降、頻繁に海に通ってはあの人がいるか探していた。
毎回会えるわけでもなく、運がいい時は月2回程見かけていた。
陸さんとねぇちゃんからはストーカーみたいだから、ちゃんと声を掛けろと言われていた。
だけど、声を掛けて断られたりしたら立ち直れないから、声を掛けられずにいた
この選択を悔いる日がやってくることも知らずに、名前も知らない彼女をただただ遠くから見ているだけだった。
ある日を境に全く彼女を海で見かけなくなってしまった。
もう一度会えたら声をかけようと、諦め悪く海に通うも、名前も知らない彼女を見かけることはなかった。
柄にもなく神様もう一度だけ彼女に会わせて下さいと何度頼んだことか。
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