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陸さんからは早く声かけないからいけないんだと言われ、ねぇちゃんからは縁が無かったってことだから早く忘れろって言われたり。
女々しいと分かっているけど、どうしても忘れられない諦められなかった。
今度会う機会があったら、そのチャンスは絶対に逃さないと心に決めた。
どこで会うか分からないから、いつも彼女がいないか見る癖がついてしまった。
こんなに恋焦がれているのに、もう一度会うことはなかった。
そんな気持ちを抱えながらも、無情にも日常は過ぎていく。
「おつかれ様です。」
「珍しい人がいるわね。相場さんがいると場が華やぐわね。」
「ありがとうございます。今日はよろしくお願いします。」
今日は各メーカーの共同新作発表会だ。
本当は出る予定なかったんだが、後輩がどうしても譲れないデートらしく変わってくれと。
仕事よりデートを優先するのかと怒りたくなったが、可愛い後輩だったし、日曜に特にやることもないから変わってやった。
「この新作のラインナップはこっちに展示をお願いします。ノベルティは来場者全員に渡して下さい。足りなくなったら、俺に声掛けて下さい。」
スタッフに声を掛ける。
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