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「……っ!」
目が覚めた瞬間、号泣している自分に気づく。乱暴に手の甲で涙をぬぐい、唇を引き結ぶ。
ああ、また見てしまったんだ、同じ夢を。
「ねえアスカ……、あなたはいつまで私を苛むの?」
もう知ってる。あの夢は過去、現実にあった出来事なんだって。
私が辿っているのはアスカの最期の記憶で、遺言のような呪縛で。
アスカは私で、私はアスカだから。
これからも私は、あの瞬間に感じたすべてを忘れられない。
いつまでも心にこだまするアスカの声に、耳を塞ぐことすら許されない――。
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