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「ねぇ、あの時のこと覚えてる?」
友美にそう聞かれたが、私は答えることができなかった。
友美とおしゃれなカフェで充実した時間を過ごしていた。
友美が突然、聞いてきたのだ。
「あの時のこと、覚えてる?」
私は焦った。
なんと答えればいいのだろうか。
私は
「なんのこと?」
と強く言い返した。
友美は答えようとせず
「あの時のこと、覚えてる?」
と言い続けるばかりだった。
まるでロボットみたいだ。
私は友美のことが気味が悪くて仕方がなかった。
しばらく沈黙が続いて、気まずい空気が流れた。
私は大きな窓の外を見つめてやり過ごした。
なのに、友美は表情を変えず、
「あの時のこと、覚えてる?」
と言った。
どんどん友美の声が大きくなっている気がする。
他のお客さんもいるんだから、と私は友美を落ち着かせた。
怖い。
友美が怖いのだ。
いつもの友美ではない。
なにかに憑りつかれているみたいに思えた。
「ねぇ、あの時のこと、覚えてる?」
あまりにしつこかったので、私はぶっきらぼうに
「覚えてるよ!」
と言った。
これで満足しただろうか。
しかし友美は
「なんでそんな険しい顔してんの?」
「そりゃあ、友美があまりにしつこく聞いてくるから」
「えっ!?私なんか言ったっけ?」
友美の言葉と同時に怒りが沸き上がった。
「散々聞いといてなによ!私はちゃんと答えたじゃない!」
ついカッとなってしまって私はカフェから出て行った…。
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