好きになれたら

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好きになれたら

「…好きだ」 「俺も、愛してる」 きっとまた、余計なことを考えているんだろう 「手、退けて」 柔らかくて触り心地のいい体を人差し指と中指で優しく撫でると、くすぐったそうに身をよじる 下に近づくと少しずつ吐息を漏らした 「っ…ん」 下着を押し上げているものを触るとそれは喘ぎ声に変わっていった 「う…、うの…ひぁ……っ、」 喘ぎ声の混ざる声で名前を呼ぼうとする どうしようもないくらい…嫌いじゃない 「俺、あいきのことが好きだけど、お前のことも好きだよ」 「へ……?」 「撫でるだけで感じるところとか…」 「んぅ…っ、そっ、…こ、は……」 「喘ぎ声に混じらせて俺の名前呼ぶとことか…今みたいに恥ずかしがるのもいいな」 「ほんとに…?嫌いじゃ…ない…?」 「嫌いだったら抱くわけないだろ」 2週間は…ほっときすぎたかな… でもあいきの好きな人知ったりでイライラしてたしなー… 「口、少し開けて」 唇を優しく重ねて、ねじ込むように舌を入れた 「ん!?んぐ、んぅ、ぅ」 「っ…は……………好きだよ」 「…おれ…っ、も、あ…っ、いぅっ」 「ねぇ、愛してるが聞こえない…俺のこと嫌いになったの?」 中指の第一関節までゆっくりと入れて、ナカをかき混ぜるように動かしながら聞いた そんなわけないとばかりに首を振った 「あぁそうだ、聞いてよ…」 あいきの話をした ナカをほぐしながら、今日あったことやあいきの好きなところを聞かせた 「ぁう……っ、ふ…っ、ぅ…んぅ、」 ちゃんと話を聞いてしまうから、俺が話すたびに切なそうに喘いだ 「イっ、ぅぅ、っあ、──っ!」 もう既に達してしまいそうなその姿は可愛かった 目尻に溜まった涙を拭いキスをした 思わず抱きしめてしまうほど愛おしかった コイツを本気で好きになれたらどんなに楽なんだろう でも、好きだとか、可愛いとか、愛おしいとか思うたびに頭を過ぎる あいきの笑顔や、優しい声 俺の中のあいきが、コイツを好きになることを許さない 「……うの…ちゃん…?」 抱いているとき以外は冷たくあしらう 抱いているときだけなら、その場だけの言葉だと思ってくれるから あぁ、本当に コイツを本気で好きになれたらどんなに楽なんだろう 「…ごめんな、大地」
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