仔鹿のすみか

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仔鹿のすみか

仔鹿のすみか カムチャツカ キリンのあしもとで バトンにじゃれついている 幼な子は寝返りをうった 仔鹿のすみか ペトラルカ 時折こぼれるラウレア ラウレア という言葉を拾い ゆっくり食んでいる 幼な子はいくらかうなされている 仔鹿のすみか 聖書の雅歌 愛の目覚めを説かれるけれど その斑点は星のように清か 幼な子の寝顔は山の天気のようにくるくると変わる 仔鹿のすみか 幼な子のあしもと いつも寝添べっていたけれど 首をもたげて幼な子のひたいをのぞき込む そのままお辞儀をするように 頭の中に入り込む 幼な子の寝顔に星の広がる 斑点を脱ぐ 鹿 斑点を撒かれ 思春
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