0人が本棚に入れています
本棚に追加
男の出ていった扉を見つめて、黒樹が口を開く。
「楓は優しいね」
棘のある言い方にも、楓は笑顔を返す。
「それはどうも。っていうか、俺に任せた時点で、黒樹も優しいと思うけど?」
「うるさい」
「なぁ、祭りに行こう!うまそうな屋台が出てたんだよ!行こう!」
「まったく、祭ではしゃぐなんて、子どもじゃないんだから……」
「楽しんだモン勝ちだろ?いくぞー!」
手を引かれ、黒樹のは仕方なく立ち上がった。
「……はいはい」
『なぁ、覚えてるか?』
いつか、そんなことを聞けるようになる日まで、ともに――――――――。
捜し物承ります。―覚えてる―:END
最初のコメントを投稿しよう!