思い出

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 男の出ていった扉を見つめて、黒樹が口を開く。 「楓は優しいね」  棘のある言い方にも、楓は笑顔を返す。 「それはどうも。っていうか、俺に任せた時点で、黒樹も優しいと思うけど?」 「うるさい」 「なぁ、祭りに行こう!うまそうな屋台が出てたんだよ!行こう!」 「まったく、祭ではしゃぐなんて、子どもじゃないんだから……」 「楽しんだモン勝ちだろ?いくぞー!」  手を引かれ、黒樹のは仕方なく立ち上がった。 「……はいはい」 『なぁ、覚えてるか?』  いつか、そんなことを聞けるようになる日まで、ともに――――――――。 捜し物承ります。―覚えてる―:END
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