無限の二人 ~二人の知らないもの~

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「殴られても一緒にいたい と思ったか 殴られても一緒にいるしかない と思ったんじゃない?」 「そんなことあるのかな?」 「大切な人が カッとなっちゃって 本当はしたくないんだけど 手を出してしまった って思ったら?」 「そんなことある? 殴る人は殴るよきっと それで殴らない人は殴らないよ全く」 「だからこそ一緒にいてしまうんじゃない? 今回だけだから、 これはたまたま、 悪いのは私だから、 本当は優しい人だから、 って思ってしまうんだと思うよ それでふとした瞬間 ほんの一瞬でも優しくされたら ほら、優しい人だ って思えてくる その堂々巡りかもね」 「気づかないのかな?途中で」 「その人は気づけてよかったね だからこそここにいるんだから もしくは 他になにか見つけた人だろうね」 「一緒にいるしかない って方?」 「殴られても離れられないってのは 他に居場所がない ってことも考えられるからね 物理的な意味でも精神的な意味でも」 「誰も頼れないって思っちゃうのかな」 「そうだろうね 殴られても私にはこの人しかいない そう思って離れられなくなるんだろうね」 「そんなことないのにね」 「極限状態じゃ気づくのは難しいよきっと 今日の自分、今の自分に きっと一生懸命なんだ そしてそれが恐怖支配ならなおさら 今までと違うことしたらどうなることやら 想像するだけで怖いだろうね」 「良かった あの人にはここがあって」 「誰にだって逃げ道はあるんだけどね」 「逃げられないよねそう簡単に」 「そう思っちゃうよね」
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