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「わ、私、そんな立派な人間じゃないですしっ」
「立派じゃないところが好きだ」
うっ、と日子は詰まっていた。
複雑そうな顔をする。
だが、チラ、とこちらを見て、
「じゃ、じゃあ、一生ダメ人間でいます」
誠孝さんが好きでいてくれるのなら、と言う。
「……いや、それもちょっと」
とうっかり言って、
「えっ?
もうっ、どっちなんですかっ」
と叫ばれる。
「適当なこと言わないでください~っ。
誠孝さん、そこに存在してるだけで、私を振り回してるんですからっ」
日子は真っ赤になって、そう訴えてきた。
いや、ほんとに……
可愛くて仕方がない、と誠孝はちょうどいい位置にある日子のこめかみに口づけた。
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