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節子の米寿の祝いには、誠孝も顔を出していた。
宴会後、バルを出て、みんなでいつも行く百貨店の喫茶に移動する。
百貨店の中を歩く道中、誠孝は日子のおばたちに捕まり、散々、質問攻めにあっていた。
まあ、最初は仕方がないだろうと思っているのか、側にいる節子もそれを止めずに笑って見ている。
日子はそんな先頭集団からちょっと遅れて歩いていた。
ガラスの向こうにウエディングドレスが並んでいて、ふと、日子は足を止めた。
耳元で声がする。
「俺とだったら、このゴージャスなのが似合うな」
いつの間にか側にいた新太が丁寧な刺繍がきいたボリューム感がすごいドレスを指差す。
「誠孝とだったら、こっちだろうな」
今度はマーメイドラインでバックスタイルが素敵なドレスを指差した。
「どっちがいい?」
と訊かれる。
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