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お疲れ様です、と頭を下げた日子は言う。
「いや~、今日大変だったんですよ~。
強情な仕事関係の人がいて、全然譲らないから」
「……俺だよな、それ」
「なんであの人、あんなに頭固いんでしょうね~」
「だから、俺だよな、それ」
と誠孝は眉をひそめたあとで、腕組みして言ってくる。
「……頭が固いやつの融通がきかない料理は食べたくないだろうから、帰れ」
ああっ、ちょっと愚痴りたかっただけですよっ、と日子は慌てて笑って誤魔化そうとした。
「いっ、いただきますーっ」
と言いながら、靴を脱ぐ。
欲望のままの帰宅の挨拶をしてしまい、
「ただいまだろうがっ」
と親に叱られるように叱られた。
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