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おそらく、誠孝さんはおばさんたちの容赦ない攻撃に追い詰められて。
クライアントから責められたときと同じ感じになってしまっている。
お仕事モードになってしまった誠孝さんは、いつもの会議のように、こちらの主義主張など聞かずに、機械的に効率よく、結婚までの段取りを決めてしまうに違いないっ。
「しっ、誠孝さん、聞いてくださいっ」
「すみません。
前に飾ってあるドレスを三着ほど、見せてもらえますか?
日子、よく見て見極めろ」
店内に並ぶドレスを見回したあとで、誠孝は目が肥えているだろう店員さんの意見も訊く。
「どれが似合うと思いますか」
「まま、待ってくださいっ。
こういうことはですねっ。
効率よりも感情を重視して決めていただきたいんですけどっ」
などと日子が叫んでいる間に、笑顔のおねえさんが何着か良さそうなのを持ってきてくれる。
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