日子たちのその後――

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   今より少し前。  今日は早めに帰れたから、日子の好きな物でも作ってやるか、と思いながら、誠孝はキッチンに立っていた。  解約できるまでもうちょっとかかるので、日子の部屋はまだそのままなのだが。  最近ではほぼ、二人で誠孝の部屋で暮らしていた。  日子は子どものようなメニューが好きだ。  ハンバーグとかシチューとか。  今日は両方作ってやるか、と思う。  昼間、仕事で宿敵を上手くへこませてやったので、誠孝は機嫌がよかった。  ……もちろん、その分、日子はへこんだままなのだが。  戦場で出会った強敵(とも)と互角に戦い、わずかな差で勝ったときの爽快感というか、やり遂げた感というか、 と誠孝はあの会議での戦いを思い出し、感慨に耽っていた。 「いやいやいやっ。  ってことは、私は絶望感と寂寥(せきりょう)感にまみれてますよねえっ」 と日子は叫ぶだろうが。  誠孝は、日子の機嫌が美味しいものですぐ直ることも知っていた。
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