日子たちのその後――

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 農場で貸し切りなので、小さな子どもたちが駆け回っても大丈夫そうだった。  キッズスペースもあって、カラフルなテントや小さな机で、式に飽きた子どもたちが遊べたりもする。 「前日の六月十二日は恋人の日らしいので。  この日でもいいかと思ったんですが」  恋人の日とか、この人の口から真顔で飛び出すのが怖い、と日子は思っていたが。  まあ、仕事モードなので議題を進めるための材料のひとつとでも思っているのだろう。  ……こちらはドキドキしてしまうんですけどね、と日子が思ったとき、パンフレットを手に、さすがのベルゼブブも呆れたように言ってきた。 「っていうか、今の一瞬の間にそこまで決めてきたのか。  手際良すぎるぞ」 と。
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