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洗面所で手を洗ってきた日子は食卓を見て、案の定、機嫌がよくなった。
「わーい。
ハンバーグとシチューですね~。
ご飯も白くてほかほか。
実は今日のお昼、うなぎの老舗で食べたんですけど。
何故か、ご飯が異常に硬くて」
そんなことを言いながら席に着く日子に訊いた。
「昼からうなぎか。
豪勢だな。
誰と行ったんだ?」
……ベルゼブブさんじゃないだろうなと邪推する。
豪勢におごってくれそうなイメージだったからだ。
「タウン誌を隅から隅まで読み込んで、いつもお得な情報を教えてくれるゆーちゃんがうなぎ屋さんでキャンペーンやってるの見つけてきて。
ゆーちゃんや星野たちと行ったんですよ~」
星野か……とちょっとホッとする。
「いや、なんで俺だとホッとするんですかっ」
と星野には言われそうだったが。
星野はイケメンだし、性格もいいが。
良すぎて、遠慮して、グイグイ押してきそうにないというか。
いや、ベルゼブブさんが悪い人で、強引だと言っているのではないのだが……。
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