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「え? 誰なんだ?」
「今、スマホをチラと見た。
なにか俺に知られたくない内容のメールとか入ってるんじゃないのか」
刑事かっ、と怯えながらも、日子は白状する。
「実は……おばあちゃんに、結婚前に一緒に住むとか駄目よって言われたんです」
「……どっちのおばあちゃんだ」
「呪われたお雛様と鎧武者のおばあちゃんです」
「俺たちに二人で旅行行けって言ったの、節子さんだよな?」
いや、そうなんですけど……と日子は苦笑いしながら、スマホを握る。
「だからそのっ、同居とかじゃなくて、
けっ……
け……っ、
……け」
そこで言葉を止めたので、けーっけっけっけっけ、と笑う魔女みたいになってしまった。
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