第21夜

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絶対近くには居るはずなんだが… どこかに隠れて俺達の様子を伺ってるのか? その時、俺の前に式神が現れる どうした? 何かあったのか? 式神はしきりに上を見ていた 上? 上に居るのか? 俺は空を見る様に上を見上げる 居た… こいつ… 上から様子を伺ってたのか… 俺が生霊の居る場所に気づいたと知ったのか ココの部屋に入り込もうとする 式神! あいつを中に入れさせるなっ! 式神が生霊の前に立ちはだかる 「紫苑っ! 聞こえるかっ 居たぞっ!」 ココの部屋の窓が開き 紫苑の顔が見えた 紫苑 『えっ!? 式神っ!? 生霊が居たってことっ! 今すぐ降りるからっ!』 紫苑は窓を閉め 窓に結界の印を書く これで生霊は部屋の中に入る事が出来なくなった 紫苑のやつ 慌ててるように見えたが 自分が部屋から離れるとわかった途端 部屋に結界を張るなんて ちゃんと辺りを理解してるって事だな 式神… そいつを叩き落とせ その指示通りに式神は生霊を地面へと叩き落とし 動けないように威嚇する 玄関が開き 紫苑が出てきた 紫苑 『えっ? ええぇぇぇっ!? きゃーーっ』 「だから言ったろうよ… 色情系だってよ…」 紫苑 『まさか丸出しだなんて思わないじゃんっ!』 「俺なんてそれを真下から見たんだからな 生霊でもブラブラ揺れるのな」 紫苑 『ちょっとふざけないでよ!』 「ふざけてるわけではなく… 真実を言ってるまでなんだが…」 紫苑 『そんな真実知らなくていいよっ!』 「それよりも早く解決したらどうだ? それとも俺がやるか?」 紫苑 『私がやる』 目の前の丸出し全裸の生霊に戸惑いながらも 紫苑は印を組み 祝詞を唱える この祝詞 基本的な祝詞に紫苑は少し変化を加えた やっぱり丸出しが気になったのか 徐々に姿が薄くなる生霊 そのまま スーーっと姿が消え この件は終わりを告げた 「お前まさか生霊を成仏させてないよな?」 紫苑 『そんなわけないじゃん ちゃんと元の体に戻るようにしたよ そんなの祝詞聞いてれば分かるでしょ』 「まぁな それよりも祝詞に変化を加えるなんてどこで覚えた? 俺は教えてないぞ」 紫苑 『前にまぁにぃのおばあちゃんが残してくれたノートを読んでね それで祝詞に言葉を加えるやり方を覚えたんだよな』 「そういう事か でもなぁ 祝詞に加えた言葉の意味が 粗末なもんみせるなってよ… 確かにちょっと小さかったけどよ」 紫苑 『ちょっとやめてよ! だって変なもの出してる生霊が悪いんじゃん』 「ココっ 聞こえるかっ」 その声に窓からココが顔を見せる 「もう終わったぞ 降りてきても大丈夫だ」 少しして 玄関からココが外に出てきた ココ 『もう… 大丈夫なの?』 「あぁ 紫苑がきっちりやってくれたからな もう二度と現れる事はないさ」 ココ 『〇〇君、紫苑さん ありがとう…』 「俺はとくに何もしてないよ 紫苑がやってくれたからな」 ココ 『紫苑さん、本当にありがとうね』 紫苑 『いえ』 「さて紫苑 そろそろ帰るか」 紫苑 『うん』 俺はちょっとふざけて 「じゃあココ俺らは帰るけど こんどはちゃんとしたいい人見つけろよー とくに夜の生活でな」 ココ 『えっ!?』 紫苑 『ちょ、ちょっと何言ってるのっ!?』 俺がふざけて言っているのが分かったココは笑って俺らを見送ってくれた
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