第25夜

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何故 この悪霊は印を組める? 何故 言葉を発せない悪霊が教を唱えられる? こんな悪霊は見た事がない… そもそも今回の件に関してあやめから寄越された資料とはかなりの食い違いがある もちろんこんな悪霊の事も書かれていない はっきり言って初見のこの廃墟で未知の悪霊… どんな想定外が起きてもいいように過去の経験から色々な対処法を考えてはいたが… 今回ばかりは想像の範疇を超えていた… あれほどの力の悪霊 いつまでも結界と縛術で持つわけがない… どうする? どうすればいい? どうすればあいつを倒せる? 自問自答して ある1つの考えが思い浮かぶ 今まで試したことはないもの だが知識だけは頭の中に入っている ただ今の俺にとってこれは賭けになるのではないか? この考え こういう場では絶対にしてはいけない考え でももうこれしか考えが浮かばない… この術は生前 婆さんにこの術は禁術 出来る事なら使うなと言われていた 術を使ったあとどうなるか分からないと… ヌシヨ… 玄武が俺に問う コノママ デハ セイリュウ モ モツマイ… ヌシノ カンガエルトオリニ ヤレバヨイ… 俺はその言葉を聞き 印を組む 頭の中にだけで留めおいた祝詞を唱える 初めて声に出して読む祝詞 この言葉自体に凄い力がある 予想以上に自分の力が吸われているような気がする 祝詞を唱え終わり 多門天来いっ! 式神達が何かの気配を感じ取り辺りを見渡す 物凄く大きな気配 オマエカ? ワシヲ ヨビヨセタノハ 「俺は〇〇流〇〇道の〇〇 お前の力を借りたい」 オマエ 〇〇ノシソンカ? 「そうだ」 ナニヲ モトメル? 「この廃墟にいる 悪霊、怨霊 魑魅魍魎と言われるすべてを 消し去ってくれ」 アイ ワカッタ 多門天の姿が消える 「式神達よ 青龍も含め すぐに戻るべき場所にもどれ!」 式神達が消えた瞬間 とてつもない大きな霊力の圧が 上からのしかかる これが多門天の力なのか? 俺まで押しつぶされそうだ… 自分自身に結界を張り この圧に負けじと耐える 時間にすればものの数秒なのだろうが 俺には数分にも数十分にも感じた
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