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山の麓に着く
紫苑の車がある
まだ山にいるのか。
俺は山へと歩き出した
この辺りから
俺の従えている式神達の落ち着きがない
式神達を見ると
山の中腹あたりを見つめている
俺
「あの辺に紫苑がいるのか?」
式神
『……』
俺
「どうした?紫苑に何かあったのか?」
式神
『……ハヤクイケ』
式神に言われ
急ぐように山を登った
紫苑の名を大声で呼ぶが返事はない
20分くらい探したろうか
式神
『ムコウ』
式神は東側を見つめている
俺
「そっちにいるのか?」
俺の問に返事もせず
式神達は東側へと飛んで行く
俺もその後を追った
式神達の動きが止まり
この辺なのかと俺は紫苑の名を呼ぶ
チリンチリン
この音
熊よけの鈴
おーいと叫ぶ
チリンチリン
音のする方へ向かった
鈴の音がはっきりと聞こえてくる
俺
「紫苑どこだ?」
紫苑
『こっち…
下に…』
下?
先の方をよく見ると
地面がに亀裂が入っている
俺は亀裂の中を覗くと
そこに紫苑の姿があった
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