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27話
独特の気怠さを感じながら、由香の隣にゴロンと横になる。
「由香、もっとこっち。」
何故か離れていこうとする由香を引き寄せて向かい合う。
照れくさそうにしている中で、一瞬表情が歪むのが分かった。
まだ痛みがあったりするのかもしれない。
「体大丈夫か?痛みはどうだ?」
「痛みはないんですけど…」
「けど?」
「足の関節がちょっとピキピキいってるというか…」
「…なるほど。」
まあ、中々あんな体勢で居続けることは無いもんな。
「体が硬いからですかね…これからの事を考えると、ストレッチとかした方がいいんでしょうか?」
「…ははっ。」
いや、何だそれ。
可愛すぎるだろ。
でもそう考えてくれるということは、初めては成功だったと思っていいのかもしれない。
「もう、どうして笑うんですか。本気で言ってるのに。」
「悪い悪い。嬉しかっただけだから、拗ねるなよ。」
「嬉しかった?」
「これからも俺としたいって事だろ?だから嬉しかったんだ。」
「あ…え、私そんな恥ずかしい事を…」
自分の言った事の意味を急に理解したのか、由香の顔が真っ赤になった。
由香としては、そんなことを言ったつもりは無かったんだろう。
「恥ずかしい事じゃないだろ。俺も由香と同じ気持ちだし。」
「同じですか?」
「そう。本当は今すぐにでも、もう1回抱きたい。」
「えっ。」
「流石に本当にはしない。今は痛いだろうし。まあ、慣れてからは分からないがな。」
どう反応したらいいか分からなくなったのか、何とも言えない呻き声を上げながら俺の胸に顔を埋めてくる。
頭を撫でてやると、甘えるように更にすり寄ってきた。
そういえば、終わった後にこんな風に過ごすのは初めてだ。
所謂ピロートークとかいう物も、今まではしたことが無かった。
それなのに、自然とこうしてくっついていたいと思うのは、相手が由香だからなんだろうな。
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