刻印

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ぼくの探しもの 当ててみて 探しもの 当てられないよ わからない 探しもの 実はね 探しもの 言えない きみに宛てた 手紙 遥か彼方  むかし むかし だった 探し当てたら 読まないで 破って 捨てて きっと 届いてない 読んでいる はずがない 読んでいたら  きみは  ぼくと 一緒の時を過ごさないだろう  友達なんだから きみへと記す 石碑の刻印 朝まだき頃、夜に積もった雪は 眩しくて 陽がさす頃、雪は溶け出し 地に沈む ぼくの身体も溶け出して  地に沈み 土に帰る ゆらゆら ゆらゆら 心の ゆらぎ 溶けても 戻ってしまうような だめだよ 戻らない 地に沈んで行こう 胸の奥に 雪を止めて きみは ぼくの前にいる 手紙は 永遠の彼方  封印するよ きみに記すは ときを共に  これからも ずっと ずっと      
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