メランコリックな両想い

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責任を取る覚悟なんて、とっくにできているけれど…。 一方で、時期尚早に踏み込めば、壊れるリスクも生じるってわけで。 もし…万が一、壊れてしまえば、その後は………。 そんなことを考え始めると、身動きさえ取れなくなる。 つき合うとか、彼氏・彼女みたいな不安定な間柄は怖すぎて、手にした瞬間から、失うことを恐れ続けないといけなくなるから…。 だから、今は…このぬるま湯に浸かるような、曖昧な関係のままで。 決定的な言葉は、先まで取っておくから―――…。 だけど、このはっきりとした感情が、朧げな輪郭のままであり続けるために、伝えられる言葉なんて知らなくて。 このまま、こんな不明瞭な関係性でずるずると引っ張っていくしかないなんて、気が遠くなりそうで――…。 いつまでも、君の気を惹き続ける自信がないんだ。 ねぇ、どう言えばいい?何て言えばいい? 探しているんだ。……でも、全然見つからない。 いっそのこと、何も言わずに想いを全部、伝え合うことができたらいいのに―――… 君の隣で居続けるための言葉を、ずっと前から探してる。 “好き”だと言う以外の――――、 ―――――最上級の愛情を表す、君を繋ぎ止める言葉を。 生まれて出逢った時からの、近すぎる距離感で――――… ― fin ―
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