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私の読みはバッチリ当たり、ちょうど20分後、食卓には夕飯がズラリと並んでいた。
「お待たせ。さ、食べよっか」
「…」
「あ。修一、またワイシャツにしわができてる。あとでアイロンかけなきゃ」
「…」
「ボタンも取れそう。あとで縫っとくね」
修一はだらしない人だから、こんなことは日常茶飯事で別に何とも思わない。
面倒なことが嫌いで無愛想な私でも、好きな人には自分なりに尽くしているつもりだった。
だけど、それは結局思い上がりで自己満足でしかないのだと知らしめるように室内に響いたのは大きなため息。
「…おまえのそういうとこ、ほんとやだ」
「え?」
食事に一切手をつけることなく、修一は持っていた箸を机に置く。
「なんていうか、全てにおいてキッチリし過ぎてて疲れる。オカンみたい」
「オカンって…」
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