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おかしい。
今日は大切な話があると言っていた修一が、険しい表情でこちらを見ている。
雰囲気的に良い話ではないとすぐに察しがついた。
「作る料理も毎回可愛くないっていうかさ。肉じゃがってなんだよ。たまにはパスタとかないわけ?」
「パスタ?パスタ…」
思い返せばたしかに私が作るのは和食ばかりで、嫌いなわけじゃないけれどパスタを修一に作ったことはなかった。
でも、それがなんだというのだ。
肉じゃがは美味しいし和食は最高だと思う。
「基本的に可愛さがないんだよな。一緒に寝ると狭いし圧迫感すげーし熊と寝てる感じ」
「結局何が言いたいわけ?」
「つまりさ、」
言いながら立ち上がった修一は、ソファーに置いていた仕事用の鞄の中から合鍵を取り出した。
「おまえくらいでかい女なら一人でも生きていけるってこと」
「何それ、全然意味が分からない」
「他に好きな子ができたんだよ。ちっちゃくて弱々しくて女らしくて…こう、守ってあげたくなるような子」
手にした合鍵を机上に置きながら吐き捨てられた言葉。それは明らかに私を侮辱するものだった。
でかいから一人で生きていける?
そんなのはただの言いがかり。
小柄な女性に惹かれた自分を正当化したいだけじゃないか。
……悔しい。
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