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「ハイ、イクコ。元気ないね」
カウンター席に座る私に声を掛けてきたのは、オーナーのマークさん。ジャパニーズカルチャーをこよなく愛し、流暢な日本語を話す生粋のアメリカ人だ。
「今日は最高に最低な気分なの」
あの後のことは思い出すだけで吐き気がする。
暴言とも取れる修一の発言は胸の奥底まで突き刺さった。
悲しいよりも悔しくて唇をグッと噛み締める私にトドメを刺すように、修一は自身のスマホにおさめられた知らない女性とのツーショットを見せつけてきた。
可愛い子だろ？
おまえと違って小さくてよく笑うんだ。
この子ならきっと可愛く涙とか流すんだろうな。
見たくもない写真を見せられ、散々好き勝手言った挙句、私の部屋から出て行く際の玄関先での言動も最低最悪なものだった。
でけぇ靴。
俺と変わんねぇじゃん。
よくそれで女として生きて行けるよな。
毎日履いていたコンバースのスニーカーは修一が買ってくれたもの。それを鼻で笑って踏みつけたのだ。
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