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付き合ってすぐの頃、仕事柄よくヒールを履いていた私に彼女が自分より背が高いのはちょっと…と苦笑いしながらプレゼントしてくれた。
身長差なんて関係ない。
そう思っていたけれど、私と同じくらいの身長の修一からしたら嫌なのかもしれない。
そう思って受け入れたのに。
全てを踏み躙られたみたいで悔しい気持ちとは裏腹に、涙は一粒も出ない。
その代わりに込み上げてきた怒りに身を任せ、玄関に置いていた修一の自宅の合鍵を投げつけた。
さようなら、クズ男!!
そんな台詞と共に、去って行く背中に目がけて思いっきり、だ。
振り向いた修一の間抜けな表情ときたら。
二年間も付き合って、こんな別れ方するなんて思ってもみなかった。
たしかなことは、私は最後の最後まで可愛くない女だったってこと。
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