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理解不可能な行動に頭がパンクしそうになったけれど優しくソファーに降ろされたことでハッと我に返った。
「マークに頼んで少しの間ソファー席を開けてもらったんだ」
「なんでわざわざ…」
「傷が酷くなるといけないから早く手当てしないと。さ、靴脱がすよ」
躊躇う様子もなく、あっという間に靴を脱がされた。薄暗さの中、彼が照らしたスマホのライトは赤く腫れた両足の踵をしっかりと映し出す。
「あー、これは痛かったね」
傷が痛まないようにソッと貼ってくれた絆創膏は、マークがくれたものらしい。
「はい、できあがり」
「ありがとう…」
「どういたしまして」
ニコ、と微笑んだ表情が眩しい。
他人にこんなふうに接してもらうのは生まれて初めてかもしれない。
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