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何がなんでも声を出したくない私と、何としても声が聞きたい彼との攻防戦が続く。
一体何をしているのかと思う光景だけど、お互い必死だった。
新たな刺激が加わるたび手で口を覆う。
それを許さないとばかりに両腕ごと没収されて頭の上で束ねられてしまった。
「離し、て」
「ダーメ」
あどけない笑顔とは裏腹に手首に込められる力はとても強くて、抵抗しようにもビクともしない。
「あるがままに、だよ」
「んぅっ…」
貪るようなキスには思考回路を停止させてしまう副作用でもあるのだろうか。
体中の力が抜けて何も考えられない。
「どんな育子さんも受け入れるから…全部見せて」
彼の右手が私のボトムスの中へ侵入してくる。ベージュのリネン混パンツのウエスト部分はゴム素材になっているから、下着まで到達するのに時間はかからなった。
中指を使って布越しに触られただけで潤っているのが分かる。
「もしかして感じてるの?」
「違っ…」
悪いことなんてしていないのに責められている気分だ。
好き勝手する彼の右手をどうにか阻止したくても、反対側の手が私の両手をしっかりガードしていてなす術もない。
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