シンデレラノーフィット

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「それで、その人と付き合うの?」 「まさか」 「なんでよ」 「なんでって…」 そんなこと聞かれても困る。 今夜だけという約束の上で成り立った関係。 たしかに体の相性は抜群だったけれど、それだけでは付き合う理由にならない。 あの容姿ならたくさん遊んでいてもおかしくないし…また男のことで傷付くなんて真っ平御免だ。そう思ったから翌朝ホテルを出る際に求められた連絡先の交換は断っておいた。 そもそも私は彼のことを何も知らない。 名前と体以外、何も。 「もう終わったことだから。しばらく仕事に打ち込みたいし」 「うわ、イケメンより仕事を選ぶんだ」 「当然」 こういうとき、やりがいのある仕事に就いていて良かったと改めて思う。 私生活で嫌なことがあったって仕事は待ってくれない。落ち込んでいる時間もない。 素敵なファッションは私を元気にしてくれる。
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