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「そうそう、」
半熟オムレツと厚切りベーコン、それからチーズが入ったホットサンドを美味しそうに頬張りながら、美紅が思い出したように切り出す。
「広報に新しい人が入るって聞いた?」
「あー、部長がそんなこと言ってたね」
週末いろいろありすぎて、すっかり頭から抜けていた。そういえば教育係に任命されたんだっけ。
「午前中、その人が人事部に書類を提出しに来たんだけどね。もうビックリ」
「なにが?」
「超がつくイケメンだったの。女子社員みんな目がハートよ」
「そうなんだ。どこの国の人?」
現在10カ国に店舗を構えるうちの会社は、社員の約三割が外国人だ。
『この洋服が、世界を幸せにする』
このようなコンセプトを掲げているだけあって、日本人のみならず海外の人にも満足してもらえるデザインの洋服を多数扱っており様々な国の人達から愛されている。
将来的には20カ国以上に展開したい、という目標を現実のものにするべく多様な国から人材を確保し、採用しているのだとか。
「それがね、日本人なのよ」
「そうなの?ニューヨーク支社からって聞いてたからてっきり…」
ニューヨークから来る人はみんな外国人だなんて安易すぎる思い込みだ。
考えてみたら日本の本社にも外国人がたくさんいるのだから、各国の支社に日本人がいたっておかしくはないのに。
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