二人の相性

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朝礼終了後も春瀬くんへの質問攻めは続いていた。 始業開始の鐘はとっくに鳴ったというのに、噂を聞きつけた野次馬どもが他の部署からも詰めかけてきて、部署内はごった返している。 異動してきた男性社員相手にあれだけの人が集っている光景を見たのは初めてだけど、そんなことはどうだっていい。 さっさと仕事を始めてしまいたい私にとって、この時間は無駄以外の何者でもないのだ。 一部のミーハーな集団から一線を引いた私は、先にデスクに向かいパソコンを起動させた。早速、大量に届いているメールのチェックを開始する。 「大木さん、大木さん」 「はい」 カチカチッと受信ボックスをダブルクリックしたところで部長から小声で呼ばれた。
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