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なんかもう、考えるの面倒くさい。
教育係のことも、春瀬くんのことも。
一夜限りの関係のつもりが、まさかこんなところで再会して今度は仕事仲間になるなんて…
どんな運命の悪戯よ。
ほんとに勘弁してほしい。
春瀬くんは取り巻き達に囲まれて輪の中心にいる。さっさと連れ戻して、やりかけの仕事を再開しなければ。
「春瀬く、」
そう思い、声を発した矢先。
「すみません、そろそろ仕事を始めないと」
「ええ〜、まだいいじゃん。もう少し話そうよ」
てっきり喜んでいるかと思いきや、部長の言う通り困ったような顔で笑う春瀬くんが目に入る。
女性に優しくするのが当たり前とされる海外で育った彼には、この人達を邪険に扱えないのかもしれない。
…なんとまぁ、手の掛かる新入りだこと。
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