5025人が本棚に入れています
本棚に追加
/328ページ
「お待たせ致しました。Bランチになります」
ランチタイムに訪れたのは会社から程近い場所にある和食カフェ。
毎日社食だと味気ないから、週に二回はこうして外でランチをすることにしている。
モダンなインテリアに囲まれ、ゆっくりと落ち着いた時間を過ごすことができる店内には、昼休み中のサラリーマンやOLの姿もチラホラ見える。
爽やかな木々とマイナスイオンたっぷりの緑が多いテラス席は大人気で、普通なら平日でも予約をしないと絶対に座れない。
そう…普通ならば。
「春瀬〜、ナイスネット予約!あんたはデキル男だと思ってたのよ」
「美紅さん、ありがとうございます」
「……」
テンション高くイェーイ!とハイタッチする美紅と春瀬くんを冷めた目で見つつ、運ばれてきたBランチを口に運ぶ。
一汁三菜でバランスの良いメニューがこのカフェの売りであり、体にも優しい料理ばかりだ。
ちなみに私が大好きなBランチのメニューは
選べるお米とワカメと豆腐の中華スープ、塩鶏じゃが、タコときゅうりの酢の物、キノコ入り茶碗蒸し。
ああ…今日も最高に美味しいご飯が食べられることに感謝しよう。
「育子先輩、育子先輩っ」
「…なによ、浸ってる時に」
せっかく美味しい料理を堪能していたのに、隣から肩をツンツンされて思わずムッとした。
「育子先輩オススメのBランチ、最高ですね」
「でしょ?」
「俺、今日は玄米を選びました」
「あ〜玄米も美味しいよね。私はちょっと悩んで五穀米にしたんだ」
「和食って和みますよね」
「だよねぇ…」
って…いやいやいや。和んでる場合じゃなくて。
最初のコメントを投稿しよう!