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前から気になってたけど、この人…
相当育ちがいいのでは？
お金の匂いがプンプンするいやらしい感じは全くないけれど、身だしなみとかさりげなく身につけている小物とか。
あとはやっぱり食事の仕方。それで大体育ちが良いのが分かる。
加えて飛び級で大学を卒業するほど優秀な人材なのに、どうして特別給料が良いわけでもないアパレルの仕事をしているのか…謎だ。
「ん？俺の顔に何かついてますか？」
「あ…いや、ううん」
つい見入ってしまい、慌てて目を逸らした。
誤魔化すように五穀米を大量に口に入れ、それを頬張る。
そんな私を見て、向かいに座る美紅は大爆笑だ。
「さっすが育子。イケメンの前でも気にせず食べまくるとこ、好きだわー」
「それはどうも」
上品に食べる男と、勢いよくがっつく女。
残念だけどこれが現実。女はみんな少食だなんて思い込みもいいとこ。
「すみません、お米のおかわりください」
「お米の種類はいかがなさいますか？」
「次は玄米でお願いします」
午後からも山のように仕事がある。
それを乗り切るためにも今はお腹を満たさないと。
はぁー…
お米のおかわり無料のこのカフェは私にとってオアシスだ。
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