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騒がしいランチタイムを終え、会社に戻ると一気に仕事モードに切り替わる。
それは隣に立つ彼も同じらしい。
各部署へと戻る人達を乗せたエレベーター内は、正にすし詰め状態。
周りがガヤガヤ雑談している中、先に降りた美紅に手を振った彼は左腕にいつも着けているブラックカラーのスマートウォッチでこれからのスケジュールのチェックをしていた。
わざわざ携帯を取り出さなくてもいいようにスマホのカレンダーアプリと連携させているらしく、何処でも簡単に予定を確認できるようにしているらしい。
「午後は15時から貸し出しのアポ入ってますけど、それまでどうしましょうか?」
「そうだなぁ…SNSアップ用のスタイリング考えて撮影まで終わらせたいかも」
「じゃあ俺は先にプレスルームに行ってサンプル商品のケアしておきます」
「うん。私は一度部署に戻ってメールのチェックして行くからよろしく」
「分かりました」
柔らかく微笑む彼と、無表情を貫く私。
対照的な性格ではあるけれど、一緒に仕事をするたびに彼への信頼は厚くなる一方だった。
一分一秒時間を無駄にしたくない私にとって、常に先のことを考えて行動する彼は理想のパートナーなのかもしれない。
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