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「ちょっと趣向を変えてシミラールックとかどうですか？」
「シミラールック？」
シミラールックとは、双子コーデやペアルックのように全身ガッツリお揃いにするのではなく、柄や色を揃えることで統一感を出すコーディネートのこと。
基本的に私自身は自分が好きな洋服だけを着たい人間で、人と合わせたコーデなんてしたくないから興味はない。
だけど、消費者の立場で考えたら…良いアイデアかも。
「気付いてますか？何気に俺と育子先輩も今日シミラールックなんですよ」
「…え？」
今日の私のコーデは、チェック柄でモカカラーの膝下丈タイトスカートに白の襟付きシャツを合わせ、ラテベージュのカーディガンを羽織っている。靴はキャメルのショートブーツをチョイスした。
そして、春瀬くんは…
トップスは白Tシャツ、アウターはダークブラウンのチェック柄シャツ、ボトムスは黒のストレートパンツ。靴はカジュアルな茶色の革靴…か。
なるほど。
お互い全体的に茶系色が多くて、チェック柄も統一している。
これが俗に言うシミラールックならば思っているよりハードルが低いのかもしれない。
「シミラールック、いいね。それでいこう！」
「よっっっしゃ！やった！」
自分の案が通ったのが余程嬉しいのか、彼はガッツポーズして喜んだ。
気持ちいいくらい感情を素直に表現する彼を見ていると、こっちまで清々しい気分になる。
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