二人の相性

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「今回はフォロワーの心を鷲掴みにするような投稿がしたいの。どんなのがいいかな?」 「それなら俺に任せてください」 自信たっぷりに撮影スペースに移動した彼は、早速撮影の準備を始めた。 三脚スタンドを組み立て、LEDリングライトにスマホを固定して。 まるでカタログ撮影でもするかのような気合いの入りっぷりに驚きを隠せない。 「さ、育子先輩そこに立ってください」 「えっ、なんで私?」 指定されたのは、本来モデルが立つべき場所。 私はいつもカメラマンのそばでモデルの動きを確認する側で、間違っても撮影される側ではない。 「フォロワーの心を鷲掴みにしたいって言いましたよね?」 「たしかに言ったけど…」 「だったら言う通りにしてください」 「ハイ…」 これじゃあどっちが先輩だか分からない。 けれど、適切なアドバイスをくれてテキパキ動く逞しすぎる後輩に怒る気にもなれず言われるがままスマホの前に立った。
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