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「あ、そうだ。お饅頭食べます?」
「は?」
「他部署の人達がたくさんくれたんですけど…一人じゃ食べきれないんで」
そう言うと、ゴソゴソとズボンのポケットから取り出した小さなお饅頭を手渡された。
「どうぞ」
「どうも…」
思わず受け取ってしまったけど。
どうしてこのタイミングで饅頭が出てきた?
若者の考えることはよく分からん。
まぁ有難く食べるけども。
「育子先輩は和菓子好きですか?」
一口サイズのお饅頭を口に含むと、突然質問された。
写真を撮る気があるのかないのか、視線はスマホではなく私に向けられている。
「うん、好き。洋菓子より断然和菓子派」
「俺も子供の頃から和菓子が大好きなんです」
「へぇ。どこまでも好みが一緒だね」
お酒も食事もお菓子も。
ここまで好みが似ている人も珍しい。
「育子先輩が一番好きな和菓子は?」
「それはやっぱり、」
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