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浮立つ気持ちを抑えながら辿り着いた自宅のマンション。
一足先に仕事を終えた修一が私の部屋で待っているらしい。
お互いの部屋の合鍵を持っていて自由に行き来できる関係の私達は、仕事終わりに会うとき、どちらかの家で過ごすことが多かった。
一緒にご飯を食べて終電の時間までのんびりDVDとか観たりして。
修一はちょっとだらしないところもあるけれど、全然問題ない。
だって彼は私の容姿を馬鹿にすることなく、全部ひっくるめて愛してくれるから。
部屋に入ると、修一はソファーに腰掛けたままボーッとしていた。
「ただいま。修一、遅くなってごめんね」
「…あ、ああ。おかえり」
「お酒いっぱい買ってきたよ。あとで飲むでしょ?」
「…うん」
買ってきたお酒をガサガサと袋から取り出し、冷蔵庫にしまっていく。
その間も、修一は上の空だ。
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