二人の相性

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「「みたらし団子!」」 綺麗に声が重なり、同時に瞳も重なる。 目をまん丸にしたお互いの顔を見て、揃って吹き出してしまった。 「ははっ、やっぱり一緒だった。俺が好きなものは育子先輩も好きなんですね」 「ふふっ、ちょっと待って。いくらなんでも凄すぎない?」 _____カシャッ… 笑い合う声に混じって響いたシャッター音にハッとする。 「あっ、不意打ちで撮ったな!」 「最高の笑顔いただきました」 「今絶対変な顔してた!」 ここで私が変な顔をしていたら大事な商品に傷がついてしまう。 そう思い、急いでその場から離れてスマホの画面をチェックする。 「大丈夫。可愛く撮れてますよ」 スマホの中の私は、自分でも驚く程自然に笑っていた。 引き攣っていない。 眉間に皺も寄っていない。 仕事だからと割り切った笑顔でもない。 紛れもなく、それは本物の笑顔だった。
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