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「すごい…こうして見ると服の素敵さが際立つ」
「ね?ワクワクしませんか?」
「する…!」
ふと、ある言葉が頭に浮かんだ。
「…素敵な服を着たいなら、あなた自身が素敵でいないと」
「え?」
「昔、憧れの人から言われた言葉なんだ。その人の影響で私はこの業界に興味を持ったの」
「…そうですか」
そうだ。
商品の素晴らしさを伝えるためには、まずは自分に誇りを持たないといけなかった。
お客様の心に寄り添って、世界中の人にファッションを楽しんでもらいたい。
「よーし、時間もないし次はツーショットと春瀬くんのソロショットを撮ろう」
「お、急にスイッチ入りましたね」
「ハッシュタグは #るいいく でどうよ?」
「最高です。若者世代にウケますよ」
スイッチが入った私は完全に無敵だった。
小道具の紅葉を引っ張り出して、二人で投げ合ったり。
カップルっぽく寄り添ったツーショットだって恥ずかしげもなく撮ってやった。
齢29歳、まだまだやれる気がする。
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