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「大丈夫ですか?」
「全然大丈夫じゃないっ!急に何してんの」
「育子先輩、いつも頑張ってるから俺なりの労いです」
「それは…お気遣いありがとう」
出たよ、スキンシップの天才。
後輩が先輩の頭を撫でるだなんて聞いたことない。
いや、むしろその反対だって普通はしないけど。
「育子先輩…」
「今度はなに?」
「ハグしてもいいですか?」
「ダッ、ダメに決まってるでしょ!何馬鹿なこと言ってんの」
「だって頭ポンポンしたら髪の毛から良い匂いしたから…」
良い匂いがしたから…って。
「そんな理由で“はい、どーぞ”なんて言うわけないでしょーよ」
「ツーショット撮影の時だって積極的にくっついてくるからずっとムラムラしてました」
「ムッ…!?」
ダメだ…頭が痛くなってきた。
この男は自分の感情に正直すぎるというか、思ったことを心に閉まっておけないというか。
なんだか…危険な予感。
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